意志でなく、才能が行く道を選ぶ。
そういうことがあると思うのよ。
―黒田硫黄「セクシーボイス アンド ロボ」より
…とマンガに言われて凹むわたくし。
いやー、おもしろいんですわ、「セクシーボイス アンド ロボ」。とっても。
まず、人物造形が面白い。
テレクラでサクラのバイトをしている女子中学生が主人公。これだけで良識ある大人の皆さんが眉をひそめそうな設定ですね(笑)。
で、この少女・二湖(コードネームは「セクシーボイス」)がその声を駆使して様々な事件と渡り合うんですが、彼女の子分として登場するのが「ロボ」こと須藤威一郎君(フリーター)。これがまた情けない男を文字通り絵に描いたようなキャラクター。いい歳して中学生にいいように振り回されてる彼がとてもいとおしい(笑)。
凝った画面構成とかっこいいドラマ。
これはもう映画ですね。このまま映画館で上映できそうなほどのクオリティーです。
うーん、なんというか。
冒頭の台詞は、もしかしたら作者自身の思いなのかもしれませんねえ。
漫画家という職業は確かに才能がなければ続かない職業でしょう。意志によって才能を積み上げるタイプの人もいますが、一方で確かに才能というものを持っていて、その才能が職業を呼び寄せる、ということもあるでしょう。
この作者はもしかしたら後者のタイプの人なのかもしれません。
とにかく、面白いので是非読んでみましょう。ただし、男性に都合のよい所謂「美少女」は出てきませんので。為念。
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