音楽をやってる人をとても羨ましく思う瞬間があります。
画とか文章は、誰かと同じ空気を共有することが難しいものですが、音楽の場合はそれが誰にでも簡単に出来ると思うからです。
画も文章も音楽も、どれも正解なんてない、どう感じても自由なものです。しかし、ある画を見て、それについて感じたことを誰かと共有するにはそれを言葉に出さなければなりません。文章についても同様です。画や文章と向き合うとき、隣に誰かいたとしても、人は限りなく孤独なのだと思うのです。
しかし、音楽は違います。音楽はその場にいる人の耳に同時に届きます。感じたことを言葉で表そうとする前に、自然と体が動いてしまう、そういう力が音楽には確かにあります。もちろん、感じたことを言葉で表すことも自由です。でも、そんな面倒な手続きを踏まなくても、ただ一緒に聴くだけで隣にいる人と同じ感じを共有できるというのが、音楽のすごいところだと思うのです。
Jazztronikのメジャー進出第一弾アルバム「Horizon」を聴いているとそんな「羨ましさ」を感じます。
ジャンルで言えばクラブジャズ。サウンドの基調に流れるのはボサノバであり、サンバといったラテンミュージック。そこにポップなアレンジを加え、さまざまな楽器の自由で伸びやかな演奏。ひとつひとつのフレーズがジグソーパズルのピースのようにぴたっとはまって大きな画を描き出すような気持ちよさ。雨上がりに見る太陽のような爽快さ。自由でいいんだ、と素直に思える開放感。
いろいろな言葉が浮かびますが、一度聴いてみればこんな言葉なんか要らないことがよくわかると思います。
シアワセナオンガク。
強くお勧め(strongly recommend!)です。
|