ハナレグミの1st「音タイム」を遅ればせながら入手。
　2ndの「日々のあわ」を聴いたときにも書きましたが(*)、永積タカシの歌声って身近な手触りとかにおいとかを思い起こさせる感じがしてとても好きです。背伸びもしないし無理もしない等身大の歌詞と、手作り感たっぷりの音たちは、彼の歌声にぴたっとはまって私たちにも見覚えのある風景をはっきりと描き出して見せてくれるのです。
　特に名曲「家族の風景」には涙が出ます。
　「どこにでもあるような家族の風景」を唄うこの歌は、しかし多くは語らず、むしろ聴く者に自分の思い出を呼び起こします。家族と話したこと、喧嘩したこと、笑ったこと…。この歌は、ただ「語ることもなくそっと笑う」だけなのです。聴く者はそれぞれに自分の家族との思い出をかみしめながら、この歌の余韻にひたることができます。
　いつも一人でがんばっている人には特にオススメします。俺なんか泣いちゃうぞ。