SKODA OCTAVIA WRC

仕上:030827
2002, 22nd Rally ARGENTINA, K.Eriksson

 最後の大型サルーンラリーカー。
 オクタビアはよくそんな風に形容されます。私は古きよきラリーは知りませんが、このマシンはそんな時代を髣髴とさせる雰囲気をもっています。確かに、4511mmの全長は近年コンパクト化が進む他のラリーカーに対していかにも大柄です。WRカーとして生まれ落ちたそのときから既に時代遅れ、なんて言い方をされることもありました。したがって、2003年のキプロスで、とうとう一度の勝利もないまま引退ということになったのも仕方ないのでしょう。
 今回このマシンを描いてみようと思ったのは、実は前回の306マキシとちょうど対照的なマシンだからです。典型的な武骨一辺倒のイメージで、信頼性が命のような頑丈さ。ただモデル末期はスピードを上げるために信頼性は落ちたようですが。
 言っちゃなんですがこのオクタビア、「でかい」「重い」「のろい」と散々な言われようでしたし、戦績にしてもA.シュバルツが2001年サファリであげた3位が最高で、エントリーしたマシンが「全滅」することもしばしば。最終戦となった2003年のキプロスでも2台ともリタイアで消えてしまいました。ドライバーの苦労もさることながら、メカニックの苦労も相当なものでしたでしょう。
 しかし、走る姿の豪快さには洗練されたラリーカーにない魅力がありました。大柄なだけに動きが大きく、まるで暴れ馬を御すかのような印象。考えてみればラリーというスポーツはいくら洗練されても「強大なパワーを発生する怪物のような機械を操って、公道を誰よりも速く走る」というだけのスポーツなのですから、オクタビアはむしろその本質を示していたのかもしれません。
 シュコダは2003年ドイッチェラントからファビアという小型車に車種をスイッチしました。オクタビアにはとうとう果たせなかった勝利が、ファビアで実現するかどうか。楽しみなところです。

 …あ、ボンネットピンを描くの忘れた。

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