さて、クリスマスの狂騒も一段落しました。ほっとしてる独り身のかたも多いと思います(笑)。
誰が言い出したかは知りませんが、クリスマスに「恋人たちの」という枕詞を与えた人は天才ですね。ノーベル平和賞をあげたっていいぐらいじゃないでしょうか。
世界中の人がそうして甘いムードに浸ってしまえばきっと紛争なんてなくなりますよ。核施設をどうのこうのとか、生物戦に備えて天然痘の予防接種がなんとかとかいったまじめな話なんて、あほらしくてやってられませんからね。
ま、人口爆発に拍車がかかるので功罪はそれぞれありますが(下ネタ)。
さて、ルサンチマンの露呈ついでに。
私のように恋愛のできない男はこういったときにどのように立ち振る舞うべきなのでしょうか。
こういったときに独り身の者はついカップルに対して攻撃的な(あたかもテロリストがその標的を眺めるかのような)視線を発してしまいがちです。非対称の両極にあって、相手が自分には絶対に実現できぬことを実現している、という状態はまさにテロの動機に十分です。カップルの皆さん、どうか自爆テロには十分ご注意を。
しかし、カップルを見るたびに自爆テロを実行していたのではいくつ体があっても足りません。何せカップルは数限りなく歩いているわけですし、そのたびに敵意を燃やしていたのではこちらも疲れてしまいます。
そこで次の手段、黙殺。傍らに人無きが如し、カップルという対象を視界から意図的に排除するのです。そんなものはこの地上に存在しない、カップルというのはエスペラント語でしたっけ?てな具合に。カップルという概念を意識に上らせない、と言ってもいいでしょう。
しかしこれも早晩無理が来ます。後からあとから湧いて出てくるカップルという圧倒的な現実を前に、そんな認識の操作など無力なのです。かえって自らを惨めにするおそれもあるのでこの方法もダメです。
最も確実で、最もダメージの少ない方法は何か。
それは「カップルが溢れ返る街」という現実にコンタクトしない、ということ以外にありません。
仕事のある人は仕事に逃げ込むのが最も手っ取り早い方法でしょう。学生さんなら普段したくもない勉強などはいかが?本気で仕事や勉強に打ち込んでみるのも、年に一度くらいいいんじゃないでしょうか。自宅で過ごすなら、テレビやラジオなどは一切シャットダウンすることが重要でしょう。メディアは「カップルが溢れ返る街」という現実をことさらに強調してきますからこれは必須です。その上で大岡昇平の「野火」など、恋愛には関係ない本などを読むのがよいでしょう。やむを得ず街に出る場合は、用件をあらかじめ決めた上でそれだけを極力短時間で済まして帰宅することが重要です。
とにかく、現実を自己の認識に上らせないことが必要であり、そのために様々なテクニックが弄されなければなりません。
ちなみに、今年の私は幸いにも仕事に逃げ込むことができました。ラッキー♪
カップルが羨ましいかって?まぁ、羨ましくないと言ってしまえば嘘になるしなぁ。
しかし、「女性にちゃんと恋をすることができない自分」という現実は「カップルが溢れ返る街」という現実よりも逃れ難いものですから、どうにかして受け容れるほかありません。こればっかりは自己欺瞞でごまかせるようなものではないですから。
それにしても、恋愛ができないとこうして自己欺瞞ばかりが巧くなっていくというのも、なんだか哀しいものがありますが(笑)。
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