強固なロジックの無限の反復

2003年1月1日(Thu)

新年明けましておめでとうございます

 ふと気づくといつの間にか2003年です。
 子供の頃、遥かなる未来でしかなかった時間に、私は今生きています。
 21世紀にもいつの間にか慣れてしまい、そろそろ新世紀という言葉も聞かなくなりました。新しい世紀に入ってから大きな事件が幾つもありましたし、今この国を覆っている沈滞感も前より深くなっているように感じます。誰もが今の平穏な日常を突如奪われて悲劇の渦中に放り込まれる可能性があるということを、私たちはよく知っているのです。
 そのせいなのか、私たちはかつて憧れた「未来」という時間を確かに生きているはずなのに、それを実感することはごく稀です。いつか壊れるかもしれないと薄々感じていながらも、華やかでもスリリングでもない「日常」という強固なロジックの無限の反復に固執し、そこに身を沈めて生きています。
 明日何が起こるか知れないけれども、今日とにかく昨日と同じように過ごせたなら、明日もきっと同じように過ごせるだろう。そうして毎日同じことを繰り返すうちにいつの間にか時間は過ぎてしまっていますが、時間は確かに「未来」に向かって流れているのです。

 新しい年の始まりにあたって、もう一度このことを自分の胸に問い掛けてみようと思います。
 今の自分は子供の頃の自分に対して胸を張って答えることができるでしょうか。
 「未来はきっと素晴らしいものだよ」と。

 いろいろと厭なニュースの多いこのごろですが、敢えてもう一度。
 明けまして、おめでとうございます。

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