強固なロジックの無限の反復

2003年3月30日(Sun) 晴

器用貧乏

 昨日の内容と少し関連するかもしれませんよ。
 器用貧乏、という言葉がありますね。何に対してもそこそこ器用にできてしまうがゆえにかえって何も身につかないという意味の言葉です。
 理屈としてはわかります。不器用な人のほうが逆にあるひとつのことに集中する分だけその分野のエキスパートとなっていく、ってことですから。
 私の場合、器用ではないですが浮気性だったために何一つ身についていない好例のようなもので。
 興味関心をあちらこちらに向け、様々な選択肢があったにもかかわらず、その中で最もつまらない選択肢を選ぶことで、その他のよりエキサイティングでそれゆえ困難な可能性を回避し、逆説的にその可能性を留保しつづける。これを自己欺瞞と言わずになんと言いましょう。
 どうしても夢を諦めざるをえなかったような状況があったわけでもなく、単に自ら自分を見限ったに過ぎない、とは幾度か繰り返してきたことですが、我ながら本当に愚かだなあとしみじみ思います。きっと恋愛できないのも同じメカニズムによるものでしょう。

 貧乏暇なし、今日もあくせくとあまり面白くもない仕事で身を粉にしているわけですが、その単調な繰り返しこそ実は自分が望んでいたものだったのかもしれません。
 明後日より新年度。
 新しい生活に身を置く人も多いでしょうが、つまらない選択をして精神的な器用貧乏にならぬよう、くれぐれもご注意を。

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