この夏散々「テーマ」「テーマ」とわめき散らしてきましたが、もうそろそろ夏も終わり、ここらでひとつ総括しておこうと思います。
まあ、結論から言ってしまえば先日書いたように(*)目論見は見事に外れたわけです。「ラテン系」とはすなわち恋愛関係に対して積極的であろうというスローガンとして掲げたテーマであったわけですが、結果は別にしてその達成度について評価するとすれば、絶対評価と相対評価によって評価が分かれます。
まずは絶対評価による評価。これまでの異性に対して晩生な、典型的なシャイ・マンとしての私を比較対象とすれば、これは長足の進歩であると言えます。感情表現を言語のみならず行動によって試みたことはこれまでなかったのですから、少なくともこれを試みたことは大いに評価すべき点でしょう。
一方、比較対象を自己の内部ではなく外部に求める相対評価の場合は落第点であると言わざるを得ません。それは同世代の水準を考えてみれば一目瞭然です。29歳という年齢ならば、恋という観念に必要以上の幻想を抱き、いわば「恋に恋する」ような観念遊戯の段階は遥か過去に卒業していてしかるべきであり、少なくとも私のようにこの歳までそこに逃避しているほうが少数派であるというのは疑いようがないでしょう。
では、行動に移ったという点を評価するとして、それが結果に結びつかなかった理由は一体何でしょうか。
端的に言えばそのスキルの稚拙さにあります。例えば彼女をデートに誘うとして、その口実やセッティング、或いは断られた時の切り返し…などなど、自己の目的を達成するために身につけていなければならないスキルが、その最低限に達していなかったということになります。そういった種類の言葉の引出しの少なさによってたちまち手詰まりに陥り、為すすべもなく退散、という展開を幾度か繰り返しているうちに、夏は無常にも終わりを迎えつつあります。これはもう、意志の問題ではなく、純粋に技術的水準の問題なのです。
さて、ではその技術的水準を引き上げるためには何をなすべきでしょう。
これについてはとにかく、実践によって熟成を図るほかありません。優れたラリーマシンが実際のレースによってその技術を向上させるように、或いはラリードライバーが個性的なドライビングを身につけるように、テストと実戦を繰り返すことによってしか進歩はありえません。私はこの歳にしてようやくその第一歩を踏み出したにすぎないのです。緒戦から数戦でなんだか腰が引けてしまって早くも引退を考えているようでは、この先栄光をつかむことなど絶対にないでしょう。人生のポディアム(表彰台)を目指すなら、あくまで勝利への意志をもちつづけなければならない、ということですね。
というわけで、この夏の総括。
総括だけでは終われないよ、ということがはっきりしただけでも収穫はあった、と思いたいものです。
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