強固なロジックの無限の反復

2003年9月14日(Sun) 晴

もてない映画

 突然こんな話を思いつきました。

 近未来の日本。少子高齢化は待ったなしの勢いで進み、このままでは日本という国が消滅してしまうという危機感を抱いた政府は、子供を持った家庭を手厚く保護すると同時に、いい歳してもふらふらしてて結婚しようとしない若い連中に鉄槌を下すべく、「独身税」の導入を図った。税率は懲罰的意味合いも含んでいるために所得税の5倍!
 「こんなんじゃ結婚しないと損をする」と思わせて出生率を上げよう、ついでに税収不足を補っちゃおう、という欲張りな案が、決める人たちは家庭のある人が多数派だから通っちゃったりなんかして。
 んで、そんなことになってるとはまったく知らなかったもてない男が、「最近妙に結婚式に呼ばれること多いよなあ」と思いつつ、ある日給料明細を見てびっくり仰天。
 「なんでこんなに手取りが少ないんじゃー!」
 かくして、孤独な彼の奮闘が始まる。
 なんとしても1年以内に結婚相手を見つけなければ、生活が成り立たない。
 んが、そもそももてない男であるからして、職場の女の子からは相手にされない、合コン行っても話すことがない、お見合いやってもまとまらない。
 そこで登場するのが「結婚プロデューサー」なる怪しげな商売の人物。「まずは見た目だ」とか何とか言ってイケメンに改造してみたり、トークが命だとか言って合コンの時に無線で指示を出したりと、あれこれと主人公を振り回すが、そのすべてが見当違いの方向に行ってとんでもない騒動に。
 絶望的な闘いを繰り返す彼の、決して癒されることのない孤独をコミカルに描く社会派コメディー、とかなんとか。

 …いかん、だんだん本気になってきた。
 ラストは「無事に結婚できました、めでたしめでたし」とするか「やっぱりどうやっても結婚は無理だから税金払ってでも俺は孤独に生きてやるぜ」と夕陽に向かって凄絶な決意をするかでだいぶお話の方向性が変わってきますね。個人的には後者の結末に猛烈に感情移入したい気分ですけど。政府を逆恨みして自爆テロを計画する、というのはちょっとやりすぎかな。
 …誰か映画にしてくれませんかね?(笑)

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