映画の話が続きます。
と言っても、今度は映画コラムのおはなし。
黒田硫黄著「映画に毛が3本!」(講談社刊)。
いやー、すごいです。
何がすごいって、まず形式。原則見開き2ページで1作品、右側に作品のストーリーや監督などの情報、左側にマンガによる評論(?)という形式で、分量的には少ないのですが内容は濃いです。もともとが雑誌「ヤングマガジンUPPERS」に連載されていたものですが、まさか単行本になろうとは。
んでもって、この人の視点がいちいち面白い。映画を観るということの面白さをよく知っている人であることはまず間違いないでしょうし、その中でも特に自分なりの楽しみ方を心得ている人だと思います。で、さらにそれを自分の言葉で語り、自分の画で表すことのできる数少ない人でしょうから、これは稀有の才能と言うしか!
この本に紹介されている映画で私が観たものはほんの僅かですが、馴染みのない作品であっても「ちょっと観てみようかなあ」という気にさせてしまうのです。いや、ホントに。
この本に紹介されている映画で一番観てみたいと思ったのは、97年の台湾映画「ラブゴーゴー」。いや〜、なんたって恋愛をテーマにしたコメディーだしさ、なんと言っても黒田氏の紹介の仕方がスゴイから(笑)。「恋とはなんでしょう!?」ときて、「それは交通事故のようにやってきて、人の頭を悪くします」なんて言われたら、「恋愛に不向きな男」としては観ないわけにはいかないでしょう!(断言)
とにかくいろいろと刺激をくれる本です。
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