ラ…ラブロマンスというヤツを正視できません。
甘甘な展開というヤツに耐えられないんです。はっきり言って、照れます。
こんな私が「ハウルの動く城」なんか観に行ったもんだから、さあ大変。
まあ、お話の筋は大方予想がついていたし、甘甘なハッピーエンドになることも重々承知で行ったんですからそれこそ自己責任ですが。
それにしても、上映後の館内での身の置き所の無さといったら!
周囲は子供連れ、友達同士と思われる女子中高生が大半、ちらほらとカップルが…という観客構成で、男ひとりで観に来ていたのはおそらく私ひとり。
…なんだよう、男ひとりでラブロマンス観ちゃ悪いかよぉ、とうそぶいてみたり。それこそ自意識過剰というものだよ。
このおはなしでは自分の可能性を決めつけていた少女が、老女になることでそこから自由になり、最終的には本来の年齢にふさわしい心に解放されるという寓話が展開されます。それも、おとぎ話としては教科書的なハッピーエンドで。
しかし、いつからでしょうか、ハッピーエンドを素直に受け容れられなくなったのは。長年の鬱屈でねじまがった根性と、いろいろと知ってしまった現実とでがんじがらめになって、なかなか素直に受け止められません。
もしかしたら自分自身の物語をうまく運べた経験が無いからかもしれませんね。どうせうまくいくわけないよ、なんて拗ねてみたりして。
物語序盤の頃のソフィーと同様な心理傾向をもっている私は、本当は心の奥底でハッピーエンドを願っているのでしょう。だからこそ逆にこういう甘甘なハッピーエンドを正視できないのだと思うのですが。
それにしても、ハウルはモテモテですな。
まあ、自分の力を無邪気に信じていられるし、一方で弱さも素直に見せられる。甘いマスクと相まって、なるほどああいうタイプはモテるだろうなあ。
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