強固なロジックの無限の反復

2004年1月5日(Mon) 晴

可能性の否定による可能性

 年頭に当たって、一つ決意をしました。
 それは、もう画を描くのをやめにしようということ。後ろ向きな決意ですね。
 以前、「様々な選択肢があったにもかかわらず、その中で最もつまらない選択肢を選ぶことで、その他のよりエキサイティングでそれゆえ困難な可能性を回避し、逆説的にその可能性を留保しつづける」という自らの性癖について書いたことがありましたが(*)、最早その自己欺瞞も限界のような気がします。これ以上描き続けても目を見張るような向上は期待できませんし、何よりも「描くこと」に快楽を感じなくなってしまったのです。自分にとって画を描くこととはなんだったのか、その意味付けも根拠も、いつのまにか薄れてしまいました。自らの画を「代償行為」と言い切ってしまった私の描く画は、いつのまにか無残なものになり果ててしまったように感じるのです。
 とりあえず、これまで溜めこんできたすべての画を燃やしてしまおうと思っています。HDに保管しているデータも整理し、このサイトの画もおおむね削除するつもりでいます。イラスト系サーチエンジンへの登録も削除の申請をしました。
 「逆説的な可能性の留保」に自ら止めを刺すことで、これまでとは違った新たな地平が開けるのではないか、とほのかに期待しています。「可能性の否定による可能性」とでも言いましょうか。
 これがどのような結果をもたらすかはわかりません。もしかしたら捨て去ることによって自分にとっての画を描くという行為の意味を再定義することができるかもしれませんし、或いは全く違った方向へと興味関心が向くかもしれません。
 私の画を楽しみにしていただいていた方には申し訳ないのですが、イラストコンテンツについては1月一杯で公開を打ち切ります。ただ、当欄を含むその他のコンテンツについては引き続き継続するつもりでいますので、引き続きよろしくお願いいたします。誠に勝手ながら、どうかご了承ください。

[▼]

目次